「あなたがたは間もなく聖霊による洗礼を授けられるからである。」
使徒言行録1:5より
さて、使徒言行録の本文の初めは、主イエスの御受難から昇天の間の四十日のことが記されていて、一つは、御自分が生きてい
ることを、数多くの証拠をもって使徒たちに示されたこと(顕現)と、もう一つは、神の国の到来について話されたことである。
この二つのことは、私たちの宣教活動や教会形成にとっての基礎となる重要な事柄であり、これらのことがおろそかにされていて
は、教会が一時的に発展しているように見えても、世の嵐を受けるとか、人間的な行き違いが生じると、ひとたまりもなく転覆して
しまうのである。
続けて、復活された主は、弟子たちと食事を共にしていたとき、「エルサレムを離れず、前にわたしから聞いた、父の約束された
ものを待ちなさい」と言われた。これは、聖霊が降るという約束、すなわち、ペンテコステのことを言われたのである。ここで、
「エルサレムを離れず」と言われている意味は、主イエスがエルサレムで十字架に架けられ、そこで墓から復活されたことを忘れる
な、ということである。
最後に、「あなたがたは間もなく聖霊による洗礼を授けられる」(5節)との約束を宣べられた。これは、聖霊が降る時を祈りつ
つ、エルサレムにおいて待つということであり、言い換えると、教会で行なわれる礼拝の場所で待つ、ということである。エルサレ
ムは、ユダヤ教とイスラム教とキリスト教の聖地とされて、それが争いのタネになっているが、キリスト教では、エルサレムという
土地にこだわるのではなく、全世界に建てられた教会が聖地であって、そこで御言葉を通して、神に出会い、キリストの言葉を聞き、
救いの約束を確認することが出来るのである。 (5月5日 主日礼拝説教より)