ひとりのみどりごがわれわれのために生れた…その名は、「霊妙なる議士、大能の神、とこしえの父、平和の君」ととなえられる。

イザヤ書9:6 口語訳



兼任牧師 中家 盾   
月報巻頭言
泉北伝道所 月報 2024年1月

 クリスマスが近づくにつれ、不思議な優しさやおおらかさが私たちの間に広がるようになる。神様による平和と正義をもう一度

祈り求める思いが芽生える。これは、私たちに用意されているクリスマスの奇跡のうちの一つです。

 今日の聖書箇所において、まず最初に出てきますのは「闇の中を歩む…死の陰の地に住む」(1節)との御言葉です。4節には

「地を踏み鳴らした兵士の靴/血にまみれた軍服は」との戦争用語すら出てきます。これは決して明るいことではありません。

その背後には、大国アッシリアによる抑圧がありました。「ウジヤ、ヨタム、アハズ、ヒゼキヤ」(1章1節)の4代にわたって王に

仕えてきた預言者イザヤからしてみるならば、隅へと追いやられたものが、更に切り刻まれ、失われていくことは受け入れがたい

ことでした。

 しかし、それでも預言者イザヤは言うのです。「大いなる光を見…光が輝いた」(1節)。灯台は揺るぎなく立っているもので

す。見ている人がいるかいないか、そのことは問題ではありません。光を届けることを通して、人々に立ち位置を教え、安心を

もたらす。それが灯台の務めです。闇の中でこそ、光はよく見えるということがあります。深まりゆく苦悩の中で預言者イザヤは

発見したのです。「それでも、神様は見捨ててはおられない」。

 この時、預言者イザヤが見出した光は驚くほど小さな光でした。「みどりご」とは赤ちゃんのことです。「やがていつか、理想

の王・メシアが、みどりごの姿を取って現れる」という幻を預言者イザヤは与えられたのです。その「みどりご」には沢山の称号

がつけられています。「霊妙なる議士、大能の神、とこしえの父、平和の君」(Wonderful, Counsellor, The mighty God, The

everlasting Father, The Prince of Peace)。

 ここから聞こえてくることは、「神様は独り子をお遣わしくださり、私たちの弱さや至らなさに寄り添ってくださる。私たちに

代わって、揺るぎなく力を振るわれ、神様の平和を打ち立ててくださる」ということです。赤ちゃんの中には、私たちが抱えてい

るような計算高さ、欲、底意地の悪さといった「闇」、過去を恥じ、現在に不平不満を抱き、将来を悲観するという「死の陰」は

ありません。何にも染まっていない赤ちゃんだからこそ、神様の愛と恵みを受け止め、神様の御心を受け継ぐ者とされます。御子

キリストが神様の御国の先触れとなるために、みどりごの姿を取って私たちの世に来てくださる!!!。この神様のなさりように

服してまいりましょう。                                (12月10日 主日礼拝説教より)










                                                            
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