パウロは、朝から晩まで説明を続けた。神の国について力強く証しし、モーゼの
律法や預言者の書を引用して、イエスについて説得しようとしたのである。(使徒28:23)
パウロは、自費で借りた家に丸二年間住んで、訪問する者はだれかれとなく歓迎し、
全く自由に何の妨げもなく、神の国を宣べ伝え、主イス・キリストについて教え続けた。
(使徒28:30~31)
使徒言行録は初代教会の一時期の活動の記録ですが、キリストを頭とする教会が、日々活動していることと重なっていて、
そこから、信仰をもって生きている私たちや、福音のために活動している現代の教会が聴くべき言葉が語られています。
パウロはこの時、囚人としてではありましたが、ともかくも、念願のローマに到着しました。それまでカナンを中心に展開
されて来た神の救いの歴史は、当時の世界の中心地にまで広がり、そこに救いの福音の新しい拠点が出来たのであります。
そこでパウロは、まず、「イスラエルが希望していることのために、わたしはこのように鎖でつながれているのです」
(28:20)と言っております。その「希望」とは、標記のパウロの言葉にあるように、「神の国」(神の御支配)のことであ
り、それが、イエス・キリストの来臨によって実現したことを語ったのであります。神の国は、イエス・キリストが地上に
来られたことによって始まり、キリストの十字架と復活によって、罪のある者も悔い改めによって、復活の命を与えられ、
神の国に入れられることが確実になりました。その神の国の完成は、イエス・キリストが再び来られる終わりの日でありま
す。しかし、イエス・キリストを信じる者は、神の国の一員とされ、既に復活の命が与えられたのであり、終わりの日には、
体の復活も実現するのであります。
しかし、信じられないユダヤ人たちは、パウロたちを会堂から追い出しましたが、それでもパウロは諦めることなく、異
邦人の地へと宣教の活動を拡大して、初代教会の活動は小アジアからヨーロパへと広がり、遂には、ローマにまで達したの
でありました。
30節以下には、その後のローマでの働きが短かく記されおりますが、ここで強調されていることは、神の国のことや
イエス・キリストの福音は、様々な困難がある中でも、自由に、大胆に、勇敢に宣べ伝えられたし、これからも宣べ伝えら
れる、ということであります。この時以来、教会の歴史は二千年以上続いており、その先端に今の私たちがおり、私たちの
人生も、私たちの教会の働きもあって、使徒言行録の続きは、世々の教会によって書き続けられていて、教会の働きと救い
の歴史のページは、この泉北伝道所においても書き続けられているのであります。 (5月17日の礼拝説教より)