「
一人の人間が民の代わりに死に、国民全体が滅びないで済む方が、あなたがたに
好都合だとは考えないのか。
」
ヨハネによる福音書11:50
応援教師 山本 清
月報巻頭言
泉北伝道所 月報 2023年5月
泉北伝道所は本年5月で開設35周年を迎えた。この時に当たって、この伝道所が何を土台として建てられ、何を目指して歩み続けるべき
なのか。そのことを、ヨハネ福音書11章の最後の、「イエスを殺す計画」との見出しが記された部分から聴き取りたい
。
マルタ、マリア姉妹の兄弟ラザロが死んで、墓に葬られてから四日も経ってから、主イエスが来られて、ラザロを生き返らせたという
出来事を目撃したユダヤ人の多くは、主イエスを信じ、期待をかけるようになった。けれども、当時の指導者層の祭司やファリサイ派の
人々は、民衆が主イエスを担ぎ上げて、当時のユダヤを支配していたローマに対して反乱を起こすことになると、ローマ軍がやって来て、
神殿も国民も滅ぼしてしまうことを恐れた。
そうした中で、大祭司カイアファは、標記のように、主イエス一人を亡き者にする方が、国民全体が滅びないで済むと考えて、主イエス
を殺そうとたくらんだのである。
ところが、ヨハネ福音書の記者は、「これは、カイアファが自分の考えから話したのではない。その年の大祭司であったので預言して、
イエスが国民のために死ぬと言った」(51節)のだと理解している。このように、神の恵みと救いの御計画は、人の罪によって曲げられ
たり、潰されたりすることはないのである。
ヨハネ福音書の記者は更に、「国民のためばかりでなく、散らされている神の子たちを一つに集めるためにも死ぬ、と言ったのである」
(52節)と述べている。すなわち、世界の各地に散らばっている異邦世界の人々をも「一つに集めるため」だと言うのである。
この神の
御業は今も続いており、神はこの小さな伝道所をも用いて、神の子たちを集め続けておられるのである。
さて、カイアファの発言によって、ユダヤ人の指導者たちは、主イエスを殺そうという意思を固めました。それで、「イエスはもはや
公然とユダヤ人たちの間を歩くことはなく、そこを去り、荒れ野に近い地方のエフライムという町に行き、弟子たちとそこに滞在された」
(54節)とあります。それは、ユダヤ人たちの殺意を逃れるためではなく、かつて、イスラエルの民がエジプトを出る時に、小羊の血を
柱と鴨居に塗って災いを逃れたことを記念する「過越祭」の時こそ、主イエスが神の小羊として十字架にお架かりになるのに相応しい時で
あったからであります。そして、主は、この伝道所を通しても、新しい神の子を生み出そうとしておられるのです。
(5月7日 主日礼拝説教より)
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