「あなたはこのところで妻をめとってはならない。息子や娘を得てはならない。……弔いの家に入るな。嘆くために行くな。悲しみを表わすな。……酒宴の席に入るな。…飲み食いしてはならない」 (1,5,8節)

    エレミヤ書  16 : 1 – 9   

 



  教師  武田 晨一 
月報巻頭言
泉北伝道所 月報 2022年2月

 この預言者エレミヤの言葉は、真の造り主なる神を忘れて、この世の過ぎ去るものに拠所を置き、地上の幸せに心を奪われていた人々に語られた神

の言葉です。ここでは、二人称単数で「あなた」と、直接エレミヤに対して三つの禁止命令が告げられています。一つは結婚するな。二つ目は葬式に

参列して嘆き悲しむな。三つ目は結婚披露宴に出席して共に飲み食いするな。と言うものです。

 これは隣人との交わりを断ち、社会から排斥された者となることにあえて甘んじる、極めて孤独な生活です。その禁止命令の理由は、子供が生まれ

ても、死んで鳥や獣の餌食になり、葬式に行っても、誰も遺族を慰め励ます人がいなくなり、結婚の祝いの席ついても、何の喜びもなくなる時が来る

からだと言うのです。

 それは、これから神がこの地上に行おうとしている出来事を意味しています。それは、 40年後に起こる国家の崩壊とバビロン捕囚です。そのことを

人々に警告し、また、そうした神のご意志を人々に伝えるために、エレミヤは結婚を断念し、泣くものと共に泣き、喜ぶ者と共に喜ぶ生活を自ら断つの

です。これを行動預言と言います。

 今の時代に置き換えて言うなら、ミサイルが飛んで来て日本列島が廃墟となり、生き残った者が全員捕虜となって異国の地に連れ去られ、国を失うよ

うなことが起こる時、伝統的習慣に従って生活を楽しんでいてはならない、と言っているのです。現代はエレミヤの時代と同じく創り主なる神を忘れ、

皆が人間の知恵と力を拠所として生きている罪の時代です。その結果、生活は便利で豊かに、一見平和に見える世の中です。然し、神を見失ったこの

時代は案外早く、崩壊の時を迎えます。現に昨今、国々の争い、自然災害の頻発、疫病の蔓延と言った異様な兆候が全世界に見られます。 然し、だか

らと言ってエレミヤの真似をすれば良いと言うのではありません。大切なことは、私たちの置かれたそれぞれの状況の中で、神の言葉に聞いて、その神

の御心を映し出す生活をすることです。真実な十字架の愛に、身をもって生きることです。そのことによって、世の人々に影響を与え、神の国の実現に

一歩近づくのではないでしょうか。「生きるにも死ぬにも、わたしの身によってキリストが公然とあがめられるようにと切に願い、希望」するのです。


(フィリピ1章20節)












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