「恐れることはない。十字架につけられたイエスを捜しているのだろうが、……ここにはおられない

 ……弟子たちにこう告げなさい。『あの方は死者の中から復活された。…』
5-7節)

 

    マタイ福音書 28 : 1 - 10 

 



 教師  武田 晨一 
月報巻頭言
泉北伝道所 月報 2020年4月

 主イエスは十字架につけられ、息を引き取られて墓に葬られました。その墓は大きい石で封印され、警備兵によって厳重に見張られ

ていました。この世の権力が人の命ばかりでなく死をも管理できるが如くに。三日の後、二人の婦人が墓に行くと、思いもよらない、

人間の頭脳では考えられないことが起こっていました。それは、大地震が起こって天使が現われ、主イエスを閉じ込めていた重い石を

いとも簡単に取り除いていたのです。人間の権威をあざ笑うかのようです。そして天使が言いました。「十字架につけられたイエス…は

…ここにはおられない。…復活なさったのだ。」
(5-6節)と。 

 ここに起こっていることは、ラザロの復活のような奇跡ではありません。私たちの身代わりとなって死なれ、十字架につけられた

救い主・イエスの復活です。天使は言います。
『あの方は死者の中から復活された。…」(7節) と。私たち人間は死人の復活と言うと、

死んだ人が生き返ってもとの体に戻ることだと思います。しかし、もとの体に戻った命はまた必ず死にます。キリストの復活はそのような

復活ではありません。ではどのような復活でしょうか。そのことを知るには「死」と言うことを知らなくてはなりません。私たちは死ぬこと

について考えますが、死そのもの、死の本質についてはあまり真剣に考えていません。死の本質とは何でしょうか。聖書は何と言っている

でしょうか。

 聖書は創世記の冒頭で 「地は混沌であって、闇が深淵の面にあり、神の霊が水の面を動いていた」 (創世記 1:2 節) と記します。この

天地万物が創造される以前の混沌、虚無、闇の姿、それが死なのです。死とは形あるもの、そのものを否定する力、虚無そのものです。

私たちが絶望そのものと思い、奈落の底に吸い込まれるような闇、そうした死を恐れるのは創造以前の虚無を恐れるからです。死人の中

からの復活、キリストの復活、それは混沌の死の世界から神の創造されたコスモス(秩序)、神の御心に立ち帰り、再創造されることなの

です。私たちはこの神の創造された世界に命を与えられているにも拘らず、神の御心に背いて自分中心に生きています。アダム以来、

神から離れて闇の中に生きています。つまり死んだ状態にあって虚無に服しています。ところが、今、キリストが、新しい創造の世界へ

と立ち帰らせて下さったのです。それがキリストの復活。死人の中からの復活です。




 

 



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