2016年  1月
2016年  2月
2016年  3月
2016年  4月
2016年  5月
2016年  6月2016年  7月
2016年  8月
2016年  9月2016年10月
2016年11月
2016年12月
2013-2015年
月報巻頭言集
 泉北伝道所 牧師 安田 修
月報巻頭言
泉北伝道所 月報 2016年6月
  本日の聖書の個所は『聖霊降臨という出来事によって人々の生活がどのように変革されていったか』、また『聖霊降臨に

よる恵みの生活とはどのようなものであるのか』ということをわたしたちに示している。しかし、これがキリスト者の生き方

のすべてではない。“最初の一つの理想”であり、時代の変化と共にキリス者の生き方も変化する。私達は変化するものと、

永遠に続くものとを明確に区別して知らなければならない。

  43節では、すべての人に『恐れ』が生じたというのである。これは、異常な出来事、人間の業を超えたことが起こっていると

認めざるを得ない状況になった時に起こる感情である。これは、41節にある、「ペトロの言葉を受け入れた人々が洗礼を受け、

その日に3000人ほどが仲間に加わり、彼らが、ペトロ達使徒の教えを聞きまた守り、相互の交わりをなし、共同の食事をし

熱心に祈っていた」という出来事である。多くの人々は、この人達の生活の変化を見て、「神がこの人達と共にいる」と感じ

たである。インマヌエルの神(神我らと共に)を感じたのである。この不思議な業とは、キリスト・イエスが貧しい者、病の

中にいる人々になさったのと全く同じ「癒しの業」である。44節では、信者達が、今風に言えば、貧富の差を少なくするため

の、『原始共産制の生活』を送っていたことが分かる。ある意味で『キリスト教信者の理想の生き方』と言えるかもしれない。

中世の修道院生活もほぼその典型と言える。しかし、聖書は、決して修道院生活や共産制社会を推奨しているわけではない。

それらは、一つの例であり、『徴』(しるし)であるに過ぎない。それは「徴」に過ぎないから、聖書の記されている出来事

から、人が理想を描き出して、何らかの新しい生き方を作り上げても、『その中に主イエス・キリストが生きておられない

共同体や生き方』であれば、必ずそれは行き詰まるのである。その典型的なものが、今日の聖書の個所にその芽生えを見ること

ができる、共産主義社会である。ソ連の共産主義社会は、わずか70年で崩壊し、中国の共産主義も一党独裁で多くの問題を

抱え、近隣社会に多くの恐怖を与えている。凡そそれらは、民主的な社会、互いに同等の人権を認め合う社会からは程遠いの

である。勿論、共産主義社会だけが問題なのではない。歴史の終わりまで、どのような意味で理想的だとして人間が追求しよう

とも、キリストのおられない組織や制度は一時的にはいかに栄えても、必ず『瓦解する』、というのが聖書が告げる所である。

だから、『修道院』は、いくばくかの問題はあっても1000年以上、そして「教会」は2000年以上、今も、生きながらえている

のである。神様がその中におられるからである。『永遠に残るのは、神のみ言葉とその約束のみ』であると聖書は告げている

のである。

  46節では、「彼らはエルサレム神殿に参り、また家ごとに集まり」とあるように、私達は、ここに既に「教会の始まり」

見ることができる。47節では、「神を讃美していたので」とあるが、原文を読むと、「神を讃美しながら」というニュアンス

になる。また、「民衆」と訳されているが、この言葉は「民」とか「人々」と理解すればよい。だから「神様を讃美しながら、

全ての人に好意を持たれていた」ということになる。つまり、彼らは、キリスト者らしく、《喜びと真心》をもって、『人々と

交わりをもちながら』、生きていたので、人々に好感を持たれ、それを見た多くの人々が、《自分達もあのような人々の交わり、

仲間に入りたい》
と願ったのである。だから「こうして主は救われる人々を、日々仲間に加え、一つにされた」という事が、よく

判るのである。これこそ、「キリスト者の理想的な生き方である」なのである。私達がキリスト者の増えることを願っている

ならば、このように《キリストにある謙遜さと優しさと思いやり》を忘れないことである。

 私たちは、今このように念願の新しい会堂で、礼拝を続けることができるようになり、またそのことを神様に心から感謝して

いるが、《その準備に忙殺されて》、《真心を忘れ》、《人の心が離れて行きつつある》ことに気付いているであろうか?

大事なことは、急ぐことの中にも、《キリストにある謙遜さと優しさと思いやり》を忘れないことである。














 
ホーム

泉北伝道所紹介

月報巻頭言

聖書の言葉

初めての方へ

アルバム

地図
「信者の生活・・・民全体から、好意を寄せられて」  使徒言行録 2章43節~47節