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月報巻頭言集
 泉北伝道所 牧師 安田 修
月報巻頭言
泉北伝道所 月報 2016年5月
  先週の日曜日には、28年間続けることができました、光明センタービルでの最終の礼拝を終えることができ、今月からは、

私達泉北伝道所につらなる者すべてが待ち望んでおりました、新会堂での礼拝となります。本当に新会堂は、神様の不思議な

業に導かれた、神様からの賜物・贈り物でありまして、『喜びと感謝の出来事』であります。この新会堂は、日本キリスト教会

や近畿中会また、泉北伝道所を応援してくださっている全国の諸教会の多くの兄弟姉妹の長年にわたる、お祈りとご支援の

賜物であります。私どものある教会員は、『新会堂が本当に持てるのだろうかと、不安に思っていた時期もありました。

そのことを考えると、この新会堂の完成は、夢のような気がします。』と語っておられますが、これは、多くの教会員・教友

の共通の気持ちではないでしょうか。私どもの泉北伝道所の新会堂建設は、近畿中会42教会・伝道所の中でも、“しんがり“

でありまして、それだけ泉北伝道所が、自前の会堂を持つことが、私どもの念願であるだけではなく、近畿中会全体の強い願い

でもあったのであります。泉北伝道所は、その親教会である「豊中中央教会」の『泉北集会』として開設されてから、実に34年

になります。この34年間には、伝道所の歩みとして様々な紆余曲折がありましたが、それらの出来事を通して、神様は私達に

御心を示し、私たちを絶えず導き続けて下さったのであります。イスラエルの民が、神様の約束の「乳と蜜の流れる地・カナン」

に入るのに要した40年間にも近い年月でありました。同時に、私達が謙虚で、御心に沿った願いを持ち続けるならば、神様は

わたしたちを必ず導き育てて下さることを、私達は深く知るに至ったのであります。

 まず、1節で、主は「他に72人を任命し・・」と仰っておられますから、「先に任命された人達」がいたはずです。

そのことは、実は前の9章1~6節に示されています。それは、小見出しにありますように、「12人を派遣する」という記事であり

ます。この12人の派遣記事と、10章の72人の派遣記事との内容には、細かな違いはありますが、本筋においては全く一致してい

る事が分かります。これ等の記事から明らかなことは、「12人の主イエスの最初の弟子達(ペトロ、ヤコブ、ヨハネ等)と、

72人の弟子達に対して、主イエスは全く同じ扱いと同じ期待・同じ命令をもって、派遣されたのである」という事です。

72人の弟子達の名前は、12人の最初の弟子達のように名前は知られてはいませんが、どちらも主なる神様による、同じ派遣であ

るという事を、はっきりと認識しておくことが大切です。つまり、人数が多くなったからと言って水増しされたり、或いは、

神様からの召命が薄められて適当に扱われるということはないのです。また、この事が、実に現在にまで引き継がれているとい

うことをはっきりと認識しなければならないことなのです。更にはっきりと言いますと、最初の12人の主イエスの直接の弟子達

に与えられた聖霊と、その弟子達のその弟子達の・・・であります私達に与えられている聖霊とそのお働きは全く同じである

という事です。従って、神様のご期待も全く同じであり、少しも薄められているのではないという事です。これが信仰告白に

言う、『使徒的信仰の伝統』という事なのです。5000人の群衆に対する、パンと魚の奇跡を思い起こしてください。

最初の5個のパンと2匹の魚が、5000人を養ってなお12籠の余りがあったという事なのです。この出来事は、私達に与えられる

聖霊の働きを表しているのです。

 ペンテコステの後も、何回も大きな信仰覚醒運動が起こっています。明治4年における日本における最初のプロテスタントの

誕生も劇的なものでした。当時、宣教師のバラが、新年祈祷会を毎日午前に、青年達と共に、東京の小さな会堂で開いておりま

したが、青年たちの熱意が大きかったため、毎日の祈祷会が3月10日にまで及び、その日9名の青年達が宣教師バラから洗礼を

受けたのであります。バラは泣いて喜んだと伝えられています。そして、先の2名の受洗者と共に、この日、11名の者をもって

日本で最初のプロテスタント教会が設立されたのです。この教会が後ほどの、横浜海岸教会となり、私ども泉北伝道所も、

この教会の流れをくんでいるのです。しかもこの11人の中に、2人のスパイが放たれていて、この教会の動きを逐一、警察の

上層部に報告していたという事です。これ等のスパイの報告によって、私達は当時の様子を詳細に知ることができるのです。

神様は人々の背信行為を用いてでも御心を成し遂げられるのです。

  私達日本キリスト教会に属する者たちは、このような、豊かなキリスト信仰の伝統を受け継いでいるのですから、今後も

更にそれらの良き伝統を、主の憐れみと導きにより、発展させられていきたいものであります。











 
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 「72人の弟子達とわたしたち」  ルカによる福音書 10章1節~12節